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Original Paper & Review

2024 2023 2022 2021 2020 2019 2018 2017 2016 2015 2014 2013 2011


63.
Room-temperature [C2mim]OAc crystal
A. Hachisu, A. Ota, K. Takahashi, K. Kuroda*

J. Ion. Liq., in press (2024)

セルロース溶解において最も有名な[C2mim]OAc。15年間、室温では液体であると思われていたが、本当は44℃に融点をもつ固体であることがわかった。

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62.
Zwitterionic liquid vs. ionic liquid analogue biomass pretreatment ability
A. Hachisu, K. Takahashi, K. Kuroda*

New J. Chem., 48, 17135-17140 (2024)

双性イオン液体とイオン液体のバイオマス処理能について比較した。イオン液体と比べて双性イオン液体の方がバイオマス処理能が低かったが、その原因は粘度であった。粘度を無視することで、双性イオン液体も高いバイオマス処理能を有することがわかった。

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61.
Relationship between Cryoprotectant Potential and Protein Hydration in Aqueous Zwitterionic Solutions
T. Takekiyo*, S. Yamada, T. Hirata, T. Ishizaki, K. Kuroda, Y. Yoshimura

Biopolymers., e23622 (2024)

双性イオン液体のタンパク質に対する凍結保護効果を評価するため、様々な濃度でタンパク質の安定性を調べた。双性イオン液体濃度が高い方がタンパク質の安定性が高かった。




60.
Rapid screening of toxicity to thermotolerant yeasts: inhibition of growth and fermentation by ionic liquids and zwitterions
M. Shibata, A. Hachisu, S. Uemori, H. Tobe, K. Ninomiya, K. Kuroda*

RSC Sustain., 2, 2921-2929 (2024)

耐熱性酵母Kluyveromyces marxianusに対して、毒性を迅速にスクリーニングできる方法を構築した。双性イオン液体の毒性は、イオン液体よりも低かった。

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59.
Phosphate-type zwitterionic liquid
T. Komori, A. Hachisu, K. Ninomiya, K. Takahashi, K. Kuroda*

Chem. Commun., 60, 8557-8560 (2024)

新規イミダゾリウム/リン酸系の双性イオンは、セルロースを溶解した。また、室温で液体であり低毒性であった。これらの要素はセルロース系バイオエタノール製造に重要なものであり、優れた双性イオンであることが示された。

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58.
Guidelines of designing zwitterions for one-pot bioethanol production from biomass
H. Tobe, A. Hachisu, K. Takahashi, K. Ninomiya, A. Ohta, K. Kuroda*

Ind. Eng. Chem. Res., 63, 12297-12306 (2024)

双性イオンの「前処理能」「酵素阻害」「微生物毒性」について検討を行った。その結果、イミダゾリウム、カルボキシレート、炭素数3のスペーサーを有する双性イオンがone-potバイオエタノール生産に適していることが分かった。

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57.
Bioethanol fermentation in the presence of ionic liquids: mini review
K. Kuroda*

New J. Chem., 48, 10341-10346 (2024)
Open Access

バイオエタノールを生産するためには、微生物発酵が必要である。イオン液体でセルロース系バイオマスを溶解し、そのままエタノール発酵すると、イオン液体の毒性によって微生物が死滅する。イオン液体の微生物への毒性と、その回避方法についてまとめた総説となる。




56.
Cell damage mechanisms during cryopreservation in a zwitterion solution and its alleviation by DMSO
T. Ishizaki, D. Tanaka, K. Ishibashi, K. Takahashi, E. Hirata, K. Kuroda*

J. Phs. Chem. B, 128, 3904–3909 (2024)
Supplementary Cover

双性イオンとDMSOの混合溶液が高い凍結保護効果を示すことをすでに報告した(論文51)。この溶液の凍結保護メカニズムを調べたところ、DMSOは直接的に凍結から保護しているわけではなく、双性イオンによって生じた浸透圧ダメージを緩和していることが分かった。

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55.
Optimization of zwitterionic polymers for cell cryopreservation
Y. Kato, T, Uto, T. Ishizaki, D. Tanaka, K. Ishibashi, Y. Matsuda, I. Onoda, A. Kobayashi, M. Hazawa, R. W. Wong, K. Takahashi, E. Hirata, K. Kuroda*

Macromol. Biosci., 202300499 (2024)
Front Cover

双性イオンポリマーが凍結保護効果を示すことをすでに報告した(論文53)。どのような双性イオンポリマーが最適な効果を示すのか、構造や濃度を最適化した。

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54.
Protein Cryoprotectant Ability of the Aqueous Zwitterionic Solution
T. Takekiyo*, S. Yamada*, T. Uto, M. Nakayama, T. Hirata, T. Ishizaki, K. Kuroda*, Y. Yoshimura

J. Phys. Chem. B, 128, 526-535 (2024)

双性イオンのタンパクの凍結保護効果について検討した。水和水や双性イオンの周辺の水の構造が関連していることが分かった。(論文48とも関連)

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53.
Cell-compatible isotonic freezing media enabled by thermo-responsive osmolyte-adsorption/exclusion polymer matrices
Y. Kato, Y. Matsuda, T. Uto, D. Tanaka, K. Ishibashi, T. Ishizaki, A. Ohta, A. Kobayashi, M. Hazawa, R. W. Wong, K. Ninomiya, K. Takahashi, E. Hirata, K. Kuroda*

Commun. Chem., 6, 260 (2023)
2023 Editors' highlight
Open Access

我々はこれまで、zwitterionを凍結保存剤として報告してきたが、それを高分子化した「zwitterionポリマー」も凍結保存剤として有効であることを報告した。zwitterionポリマーは温度に応じて溶液中の浸透圧を調整し、細胞と等張な溶液中での凍結保存を達成した。




52.
Aryloxy ionic liquids-catalyzed homogenous esterification of cellulose with low-reactive acyl donors
A. Yoshizawa, C. Maruyama, S. B. W. Kusuma, N. Wada , K. Kuroda, D. Hirose*, K. Takahashi*

Polymers, 15, 419 (2023)
Open Access

これまで、カルボン酸系イオン液体を「溶媒」かつ「触媒」とすることで、セルロースをエステル化することに成功していたが、イオン液体のアニオンがセルロースと結合する副反応が起こる。カルボン酸とは異なるアニオンを用いることで、その副反応を抑制することができた。




51.
Cryopreservation of tissues by slow-freezing using an emerging zwitterionic cryoprotectant
T. Ishizaki, Y. Takeuchi, K. Ishibashi, N. Gotoh, E. Hirata*, K. Kuroda*

Sci. Rep., 13, 37 (2023)
Open Access

双性イオンとDMSOを組み合わせることによって、細胞塊(スフェロイド)を効率良く凍結保存できた。また、マウス・ヒト由来腫瘍組織についても高効率に凍結保存できた。




50.
A simple overview of toxicity of ionic liquids and designs of biocompatible ionic liquids
K. Kuroda*

New J. Chem., 46, 20047-20052 (2022)
Front Cover
Open Access

イオン液体の毒性について概説し、その毒性を回避するイオン構造の設計指針について解説した。(Perspective)

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49.
Reducing cellulose crystallinity with a non-cellulose-dissolving solid zwitterion and its application for biomass pretreatment
A. Hachisu, H. Tobe, K. Ninomiya, K. Takahashi, K. Kuroda*

ACS Sustain. Chem. Eng., 10, 6919-6924 (2022)

セルロース溶解能を持たない固体のzwitterionであっても、セルロースの結晶性を下げられることが分かった。このzwitterionは液体のzwitterionと同程度にバイオマスを前処理できた。

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48.
Cryostorage of unstable N-acetylglucosaminyltransferase-V by synthetic zwitterions
T. Hirata*, T. Takekiyo*, Y. Yoshimura*, Y. Tokoro, T. Ishizaki, Y. Kizuka, K. Kuroda*

RSC Adv., 12, 11628-11631 (2022)
Open Access

人工のzwitterionが、タンパク質の凍結保存に使えることが分かった。本研究では、凍結に弱いGnT-V(糖転移酵素、がんの転移などに関係)を凍結保存することができた。

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47.
Characterization and Application of Carboxylate-type zwitterions synthesized by one-step
T. Komori, Y. Kato, K. Ishibashi, K. Ninomiya, N. Wada, D. Hirose, K. Takahashi, E. Hirata, K. Kuroda*

J. Ion. Liq., 2, 100027 (2022)
Open Access

ラクトンの開環反応によって、カルボン酸系zwitterionを簡便に合成できることを確認した。β-プロピオラクトンを使うことによって、炭素2つ分のスペーサーを有するzwitterionを1-stepで合成できた。このzwitterionはセルロースを溶解することができたが、熱安定性が低かったため、低温下での応用が適していた。その1つの可能性として、細胞の凍結保存剤として有用であることを本稿では確認した。

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46.
Synthesis of a cellulose dissolving liquid zwitterion from general and low-cost reagents
G. Sharma, Y. Kato, A. Hachisu, K. Ishibashi, K. Ninomiya, K. Takahashi, E. Hirata, K. Kuroda*

Cellulose, 29, 3017-3024 (2022)

我々がこれまでに研究していた双性イオン型のイオン液体は優れた性能を持つ一方で、合成における問題点があった。合成試薬の一つは非常に高価であり、さらに欠品することもしばしばあった。そこで、安価かつ安定して供給される試薬のみを使って合成するルートを開拓した。

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45.
Synthetic zwitterions as efficient non-permeable cryoprotectants
Y. Kato, T. Uto, D. Tanaka, K. Ishibashi, A. Kobayashi, M. Hazawa, R. W. Wong, K. Ninomiya, K. Takahashi, E. Hirata*, K. Kuroda*

Commun. Chem., 4, 151 (2021)
Open Access

我々はこれまでに人工のzwitterionが、「細胞へ浸透しないタイプ」の凍結保存剤として効果的であることを報告している(39番参照)。本論文では、詳細なメカニズムについて検討し、zwitterionを使って凍結保存するときには細胞内脱水が重要であることを見いだした。さらに、「細胞へ浸透するタイプ」の凍結保存剤と組み合わせることで凍結に弱い細胞を効率良く凍結保存できることを明らかにした。




44.
Essential requirements of biocompatible cellulose solvents
T. Komori, H. Satria, K. Miyamura, A. Ito, M. Kamiya, A. Sumino, T. Onishi, K. Ninomiya, K. Takahashi, J. L. Anderson, T. Uto*, K. Kuroda*

ACS Sustain. Chem. Eng., 9, 11825-11836 (2021)

我々は2017年に、極めて毒性の低いセルロース溶媒を報告した(20、29番の論文参照)。この低毒性セルロース溶媒は双性イオン型のイオン液体であり、OE2imC3Cと名付けられた特殊な構造を持つものであった。その一方で、類似構造を有する双性イオンが同様に「液体になるか」「低毒性であるか」「セルロースを溶解できるか」は不明であった。本研究では、22種類の双性イオンを合成し、物性を検証した。その結果、(1)双性イオン型であること、(2)カルボン酸アニオンをもつこと、(3)極性のある長鎖カチオン側鎖をもつこと、(4)短いスペーサーをもつこと、の4つが大切であることが分かった。またそれらの細胞毒性について、高速原子間力顕微鏡や分子動力学シミュレーションで詳細に議論を行った。

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43.
Cellulose preferentially dissolved over xylan in ionic liquids through precise anion interaction regulated by bulky cations
R. Kadokawa, T. Endo, Y. Yasaka, K. Ninomiya, K. Takahashi, K. Kuroda*

ACS Sustain. Chem. Eng., 9, 8686-8691 (2021)
Supplementary Cover

最も難溶性の多糖であるセルロースを溶解し、易溶性の多糖であるキシランを溶解しないイオン液体を開発した。デザインのポイントとしては、カチオンの構造を大きくすることでアニオン/多糖間の水素結合をあえて阻害することが挙げられる。イオン液体はアニオンとカチオン、それぞれに機能を付加することが可能であり、難溶性の物質を溶解するときの新しい手法として提案することができた。

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42.
Polar Zwitterion/Saccharide-Based Deep Eutectic Solvents for Cellulose Dissolution
G. Sharma, K. Takahashi, K. Kuroda*

Carbohydr. Polym., 267, 118171 (2021)

Zwitterionは多くの種類が存在するが、ほとんどのzwitterionは固体である。deep eutectic solventという、固体と固体を混ぜることで液化する手法を用いてzwitterionを液化させた。液化したzwitterionはセルロースを溶解することができた。

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41.
High loading of trimethylglycine promotes aqueous solubility of poorly water-soluble cisplatin
R. Kadokawa, T. Fujie, G. Sharma, K. Ishibashi, K. Ninomiya, K. Takahashi, E. Hirata*, K. Kuroda*

Sci. Rep., 11, 9770 (2021)
Open Access

高濃度のトリメチルグリシン水溶液を利用することで、難水溶性抗がん剤であるシスプラチンを溶解することができた。トリメチルグリシンは食品添加物などへも利用されていることから、安全な溶媒として利用できることが期待されます。共著者の平田先生が非常にわかりやすい記事を書いてくれました。リンクはこちら

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40.
Zwitterionic compounds are less ecotoxic than their analogous ionic liquid
F. Jesusa, H. Passos, A. M. Ferreira, K. Kuroda, J. L. Pereira, F. Gonçalves, J. A. P. Coutinho, S. P.M. Ventura*

Green Chem., 23, 3683-3692 (2021)

通常のイオン液体と比べて、双性イオンの生体毒性は低いことが確認された。複数の微生物種において、異なる生体毒性の傾向を示した。ポルトガルのProf. Ventura、Prof. Coutinhoのグループとの共同研究です。

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39.
Non-aqueous, zwitterionic solvent as an alternative for dimethyl sulfoxide in the life sciences
K. Kuroda*, T. Komori, K. Ishibashi, T. Uto, I. Kobayashi, R. Kadokawa, Y. Kato, K. Ninomiya, K. Takahashi, E. Hirata*

Commun. Chem., 3, 163 (2020)
Open Access

双性型のイオン液体がライフサイエンスにおける非水溶媒として有効であることを発見した。当該溶媒として頻繁に使われるジメチルスルホキシド(DMSO)と比較して、双性型イオン液体の毒性は低いことがわかった。さらに、双性型イオン液体は、難溶性薬剤の添加溶媒および細胞の凍結保存剤としても有効であった。

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38.
Direct preparation of gels from herbal medicinal plants by using a low toxicity liquid zwitterion
C. Kodo, K. Kuroda*, K. Miyazaki, H. Ueda, K. Ninomiya, K. Takahashi

Polym. J., 52, 467-472 (2020)
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漢方の素となる薬用植物を溶かして貧溶媒に滴下するのみで、漢方薬成分を含むゲルを簡便に作製できた。このとき、植物の溶媒はどれも毒性が高く、製薬プロセスには適用できない。そこで、我々がこれまでに開発した低毒性なliquid zwitterion(文献20, 29参照)を利用してゲルを作製した。詳細な毒性試験については共同研究募集中です。

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37.
Examining the unique retention behavior of volatile carboxylic acids in gas chromatography using zwitterionic liquid stationary phases
H. Nan, K. Kuroda, K. Takahashi, J. L. Anderson*

J. Chromatogr. A, 1603, 288-296 (2019)

スルホン酸系のliquid zwitterionをガスクロマトグラフィーの固定相とすることで、短鎖カルボン酸を綺麗に分離することができた。




36.
Flame-retardant plant thermoplastics directly prepared by single ionic liquid substitution
R. Nishita, K. Kuroda*, S. Suzuki, K. Ninomiya, K. Takahashi

Polym. J., 51, 781-789 (2019)
Free for view-only version

リン酸系のイオン液体と酢酸系のイオン液体の混合物中にバイオマスを直接溶解させ、析出・洗浄するのみで、難燃性かつ熱可塑性のバイオマスフィルムを直接得ることができた。これは、リン酸系イオン液体がバイオマスポリマーのOHに付加したためである。バイオマスからセルロースなどを精製するのはエネルギーやコスト的に好ましくないが、本手法ではサトウキビの絞りかすやおがくずから直接難燃性熱可塑性フィルムを作製できる。

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35.
Zwitterionic polymeric ionic liquid-based sorbent coatings in solid phase microextraction for the determination of short chain free fatty acids
I. Pacheco-Fernandez, M.J. Trujillo-Rodriguez, K. Kuroda, A.L. Holen, M.B. Jensen, J.L. Anderson*

Talanta, 200, 415-423 (2019)

ポリマー化したzwitterionで短鎖のカルボン酸の固相マイクロ抽出を行った。zwitterionを利用した場合、市販の固相よりも抽出時間が短く、また、夾雑物(エタノール)の影響を受けづらかった。これらのことから、ワイン中に含まれるカルボン酸を定量することができた。

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34.
Hand-holding and releasing between the anion and cation to change their macroscopic behavior in water
K. Kuroda*, Y. Shimada, K. Takahashi

Green Energy Envrion., 4, 127-130 (2019)
Open Access
Invited

カチオンとアニオン間に動的共有結合をもつホスホニウム塩を新規に開発した。pH変化もしくはガスバブルによって通常の塩と双性イオン型の塩が可逆的に変化し、水との相溶性が変化した。イオン間の共有結合という分子レベルの変化が巨視的な相状態への変化を及ぼした面白い例である。

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33.
Flame-retardant thermoplastics derived from plant cell wall polymers by single ionic liquid substitution
R. Nishita, K. Kuroda*, S. Ota, T. Endo, S. Suzuki, K. Ninomiya, K. Takahashi

New. J. Chem., 43, 2057-2064 (2019)
Front Cover

1-ethyl-3-methylimidazolium methylphosphonate中で植物細胞壁の主成分(セルロース、ヘミセルロース、キシラン)をそれぞれ加熱し、イオン液体を共有結合で導入した。その結果、それぞれの植物細胞壁由来ポリマーは難燃性プラスチックとして自立性の薄膜を形成した。これらの薄膜は火を付けても自己消火できる機能を持つことが分かった。また、イオン液体が「可塑剤」かつ「難燃剤」として働いているため、機能化後も水酸基を66%以上未反応のまま残すことに成功しており、さらなる機能化が期待できる。

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セルロースを溶解でき、かつ生体毒性の低い溶媒である、双性イオン液体(liquid zwitterion)中におけるシトクロムcの安定性を検討した。類似構造をもつイオン液体と比較して、高イオン濃度・高温でもシトクロムcはネイティブに近い構造を保っていた。

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31.
CO2-triggered fine tune of electrical conductivity via tug-of-war between ions
K. Kuroda*, Y. Shimada, K. Takahashi

New J. Chem., 42, 15528-15532 (2018)
Front Cover

CO2/N2をバブルすることによってフリーなイオンと双性イオン間の可逆的な構造変換を達成した。それぞれのイオンは異なる伝導度を有するため、ガスバブルによって溶液の伝導度を大きく、かつ精密に変化させることができた。

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30.
Cellulose Structural Change in Various Biomass Species Pretreated by Ionic Liquid at Different Biomass Loadings
T. Endo, S. Fujii, E. M. Aung, K. Kuroda, T. Tsukegi, K. Ninomiya, K. Takahashi*

BioResources, 13, 6663-6677 (2018)

様々なバイオマス投入量にて、イオン液体中での前処理を行った。植物ごとの差はあるが、およそ25〜33 wt%程度までは加水分解効率が下がらなかった。セルロースの結晶性の変化からもこの結果はサポートされた。




29.
Dimethyl sulfoxide enhances both cellulose dissolution ability and biocompatibility of a carboxylate-type liquid zwitterion
H. Satria, K. Kuroda*, Y. Tsuge, K. Ninomiya, K. Takahashi

New. J. Chem., 42, 13225-13228 (2018)
Front Cover

我々はこれまでに、生体親和性の高いセルロース溶媒としてliquid zwitterionを開発した。そこへジメチルスルホキシド(DMSO)を共溶媒として添加することで、セルロース溶解能が向上した。また、liquid zwitterionよりもDMSOの方が毒性が高いにもかかわらず、DMSO添加により生体親和性についても向上した。

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28.
Butylated lignin as a compatibilizing agent for polypropylene–based carbon fiber-reinforced plastics
H. Sakai, K. Kuroda* (co-first author), T. Tsukegi, T. Ogoshi, K. Ninomiya, K. Takahashi*

Polym. J., 50, 997-1002, (2018)
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OH基をブチル基で置換したリグニンを、ポリプロピレン系炭素繊維強化樹脂の相溶化剤として適用した。その結果、炭素繊維強化樹脂の引張強度が37.1から40.2 MPaまで上昇した。この値は、一般的な石油由来の相溶化剤を利用した場合と同等(40.9 MPa)であった。

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27.
Efficient pretreatment of bagasse at high loading in an ionic liquid
E. M. Aung, T. Endo, S. Fujii, K. Kuroda, K. Ninomiya, K. Takahashi*

Ind. Crops Prod., 119, 243-248 (2018)

イオン液体で高濃度のバガスを処理したときの、加水分解反応の効率を調べた。33 wt%のバガスを添加したとき、その結晶性は5 wt%添加時よりも低くなり、イオン液体処理が高効率となることがわかった。そしてその結果、バガスの加水分解反応が効率的に進行した。

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26.
Application of microalgae hydrolysate as a fermentation medium for microbial production of 2-pyrone 4,6-dicarboxylic acid
A. N. Htet, M. Noguchi, K. Ninomiya*, Y. Tsuge, K. Kuroda, S. Kajita, E. Masai, Y. Katayama, K. Shikinaka, Y. Otsuka, M. Nakamura, R. Honda, K. Takahashi

J. Biosci. Bioeng., 125, 717-722 (2018)

藻類を炭素源として2-pyrone 4,6-dicarboxylic acid(PDC, バイオポリマーの原料)を作製することができた。藻類の加水分解物は、炭素源であると同時にその他の栄養分としても働き、培地成分を添加しなくてもPDCを生産することができた。

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25.
Structural Analysis of Zwitterionic Liquids vs. Homologous Ionic Liquids
B. Wu, K. Kuroda, K. Takahashi*, E. Castner, Jr.*

J. Chem. Phys., 148, 193807 (2018)

liquid zwitterionとイオン液体のバルク構造の違いを調べた。zwitterionとイオン液体で、ナノドメインを形成する要因が異なることがわかった。また、zwitterionにおけるスペーサー長を長くすることで、性質がイオン液体に近づくことがわかった。これは、イオン液体とzwitterionの境界線が不明瞭である可能性も示唆している。

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24.
Oxidative depolymerization potential of biorefinery lignin obtained by ionic liquid pretreatment and subsequent enzymatic saccharification of eucalyptus
K. Ninomiya*, K. Ochiai, M. Eguchi, K. Kuroda, Y. Tsuge, C. Ogino, T. Taima, K. Takahashi

Ind. Crops Prod., 111, 457-461 (2018)

イオン液体による前処理後に酵素によって糖を回収した後のリグニンを、アルカリニトロベンゼン酸化法によりモノマー化した。その結果、バニリンおよびシリンガアルデヒドの収率は48.0%であった。イオン液体前処理の代わりに酸処理をしたリグニンでは36.6%、ソーダリグニンでは29.0%であった。

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23.
Lignocellulose nanofibers prepared by ionic liquid pretreatment and subsequent mechanical nanofibrillation of bagasse powder: Application to esterified bagasse/polypropylene composites
K. Ninomiya*, M. Abe, T. Tsukegi, K. Kuroda, Y. Tsuge, K. Taki, T. Taima, J. Saito, M. Kimizu, K. Uzawa, K. Takahashi

Carbohydr. Polym., 182, 8-14 (2018)

バガスをコリン酢酸塩で処理してからナノファイバー化及び疎水化した。処理しないものと比べ、ポリプロピレンとのコンポジットにしたときの靱性が高かった。

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22.
Pretreatment of bagasse with a minimum amount of cholinium ionic liquid for subsequent saccharification at high loading and co-fermentation for ethanol production
K. Ninomiya*, A. R. I. Utami, Y. Tsuge, K. Kuroda, C. Ogino, T. Taima, J. Saito, M. Kimizu, K Takahashi

Chem. Eng. J., 334, 657-663 (2018)

従来よりも大幅に少ない量のコリン酢酸塩を用いてバガスを前処理し、エタノールへと変換した。

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21.
Alkylated alkali lignin for compatibilizing agents of carbon fiber reinforced plastics with polypropylene
H. Sakai, K. Kuroda*(co-first author), S. Muroyama, T. Tsukegi, R. Kakuchi, K. Takada, A. Hata, R. Kojima, T. Ogoshi, M. Omichi, K. Ninomiya, K. Takahashi

Polym. J., 50, 281-284 (2018)
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アルキル鎖を付加したリグニンを相溶化剤として添加することで、ポリプロピレンと炭素繊維間の親和性を上げることができた。その結果、ポリプロピレンと炭素繊維間の界面剪断強度を8.2から17.2 MPaまで上げることができた。この値は既存の相溶化剤を添加した場合(18.3 MPa)と同等であった。

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20.
Design of Wall-Destructive but Membrane-Compatible Solvents
K. Kuroda*, H. Satria, K. Miyamura, Y. Tusge, K. Ninomiya, K. Takahashi

J. Am. Chem. Soc., 139, 16052-16055 (2017)
Supplementary Cover

カルボン酸系のliquid zwitterion(液体の双性イオン)を作製した。liquid zwitterionはセルロースを溶解し、かつ微生物への毒性が非常に低いことがわかった。そこで我々は、従来より非常に少ない量の水の存在下で、バイオマスをワンポットでエタノールへと変換することに成功した。

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19.
Ionic liquid pretreatment of bagasse improves mechanical property of bagasse/polypropylene composites
K. Ninomiya*, M. Abe, T. Tsukegi, K. Kuroda, M. Omichi, K. Takada, M. Noguchi, Y. Tsuge, C. Ogino, K. Taki, T. Taima, K. Uzawa, K. Takahashi

Ind. Crops Prod., 109, 158-162 (2017)

バガス粉末をコリン酢酸塩によって前処理をしてから疎水性化した。それにより、ポリプロピレンとのコンポジットを作製した時の機械的物性が大きく向上した。

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18.
Viscosity Effect of Ionic Liquid-Assisted Controlled Growth of CH3NH3PbI3 Nanoparticle-based Planar Perovskite Solar Cells
M. Shahiduzzaman*, K. Yamamoto, Y. Furumoto, K. Yonezawa, K. Hamada, K. Kuroda, K. Ninomiya, M. Karakawa, T. Kuwabara, K. Takahashi, K. Takahashi, T. Taima*

Org. Electron., 48, 147-153 (2017)

様々なイオン液体を使うことで、CH3NH3PbI3 の結晶の大きさ、モルフォロジーを制御することができ、均一分散したCH3NH3PbI3 ナノ粒子薄膜を得ることができた。

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17.
Efficient Hydrolysis of Lignocellulose by Acidic Ionic Liquids under Low-Toxic Condition to Microorganisms
K. Kuroda*, K. Inoue, K. Miyamura, K. Takada, K. Ninomiya, K. Takahashi*

Catalysts, 7, 108 (2017)
Open Access

酸性イオン液体を使って、バイオマスの加水分解をおこなった。発酵菌が生育できるような低濃度条件下での効率的な加水分解反応を達成した。

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極性の高いzwitterionを加えることで、リン酸系極性イオン液体中で変性したシトクロムcをネイティブの状態へ戻すことができた。

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15.
Effective Dissolution of Biomass in Ionic Liquids by Irradiation of Non-thermal Atmospheric Pressure Plasma
K. Kuroda*, K. Shimomura, T. Ishijima, K. Takada, K. Ninomiya, K. Takahashi*

Aust. J. Chem., 70, 731-734 (2017)

大気圧プラズマを照射することで、バイオマスをイオン液体中へ効率良く溶解できた。プラズマにより発生したOHラジカルを含む化学活性種がリグニン分解を引き起こしたことが、溶解度向上の主因であると考えられる。

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14.
Efficient recovery of ionic liquid by electrodialysis in acid hydrolysis process
T. Endo, M. Tatsumi, K. Kuroda, H. Satria, Y. Shimada, K. Ninomiya, K. Takahashi*

Sep. Sci. Technol., 52, 1240-1245 (2017)

酸性イオン液体によってバイオマスを加水分解後、電気透析を使ってきれいなイオン液体を回収できた。また、電極液にイオン液体を利用することで、酸性イオン液体の回収率を上げることができた。




13.
Efficient hydrolysis of polysaccharides in bagasse by in situ synthesis of an acidic ionic liquid after pretreatment
H. Satria, K. Kuroda*(co-first author), T. Endo, K. Takada, K. Ninomiya, K. Takahashi*

ACS Sustain. Chem. Eng., 5, 708-713 (2017)

酸性イオン液体はセルロースの効率的な加水分解触媒として知られる一方、セルロースの結晶構造を緩和することができず、最大糖収率が低いという問題があった。そこで、酸性イオン液体の構成成分である硫酸で結晶構造を緩和してからzwitterionを加え、酸性イオン液体をその場で合成、加水分解した。それにより、非常に高い加水分解収率を得ることができた。

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12.
Hydrolysis of cellulose using an acidic and hydrophobic ionic liquid, and subsequent separation of glucose aqueous solution from the ionic liquid and 5-(hydroxymethyl)furfural
K. Kuroda*, K. Miyamura, H. Satria, K. Takada, K. Ninomiya, K. Takahashi*

ACS Sustain. Chem. Eng., 4, 3352-3356 (2016)

疎水性かつ酸性なイオン液体を使うことで、セルロースの加水分解後にイオン液体とグルコース水溶液を簡単に分離できた。また、セルロースを酸加水分解する際に生じる発酵阻害物質、5-(hydroxymethyl)furfuralをイオン液体相に回収できた。このことから、発酵可能なグルコース水溶液を簡便に得ることができた。

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11.
Enhanced Hydrolysis of Lignocellulosic Biomass Assisted by a Combination of Acidic Ionic Liquids and Microwave Heating
K. Kuroda, K. Inoue, K. Miyamura, K. Takada, K. Ninomiya, K. Takahashi*

J. Chem. Eng. Jpn., 49, 809-813 (2016)

酸性イオン液体とマイクロ波加熱を組み合わせることで効率良くセルロースを加水分解できた。

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10.
Effects of polarity, hydrophobicity, and density of ionic liquids on cellulose solubility
M. Abe, K. Kuroda(co-first author), D. Sato, H. Kunimura, H. Ohno*

Phys. Chem. Chem. Phys., 17, 32276-32282 (2015)

アニオンとカチオンの疎水性と極性を緻密にコントロールすることでセルロースを溶解し、かつ水と相分離するイオン液体を開発した。また、密度もセルロースを溶解するときの1つのパラメータであることを示唆した。

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9.
Polar ionic liquid enables accurate chromatographic analysis of polyelectrolytes
K. Kuroda, H. Ohno*

Chem. Commun., 51, 10551-10553 (2015)

高分子電解質(またはイオン性高分子)をHPLCで測定することは困難であったが、イオン液体を移動相とすることで、解決した。アニオン性高分子、カチオン性高分子、さらにはポリイオンコンプレックスや両性高分子まで1種類の移動相で測定できた。

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8.
Molecular weight distribution of polysaccharides and lignin extracted from plant biomass with a polar ionic liquid analysed without derivatisation process
K. Kuroda, Y. Fukaya, T. Yamada, H. Ohno*

Anal. Methods, 7, 1719-1726 (2015)
Cover article & Hot Paper selected by Anal. Methods

植物バイオマスから抽出したセルロースやリグニンの分子量分布について調べた。高分子量のセルロースだけ、あるいは低分子量のセルロースだけを取り出すための知見を得た。

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7.
Maintenance-free cellulose solvents based on onium hydroxides
M. Abe, K. Kuroda, H. Ohno*

ACS Sustain. Chem. Eng., 3, 1771-1776 (2015)

様々なtetraalkylphosphonium hydroxide/水混合系のセルロース溶解性について調べた。乾燥させていないバイオマスを溶解した後には、溶液の含水率が上昇するが、大気中に放置するのみで含水率を戻すことができた。

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6.
Saccharification and ethanol fermentation from cholinium ionic liquid-pretreated bagasse with a different number of post-pretreatment washings
K. Ninomiya, S. Omote, C. Ogino, K. Kuroda, M. Noguchi, T. Endo, R. Kakuchi, N. Shimizu, K. Takahashi*

Bioresour. Technol., 189, 203-209 (2015)

セルロースをエタノールへ変換する際には、イオン液体による結晶化度の低下、加水分解、酵母による発酵を行う。1ポットでこれらのプロセスを行うためにはイオン液体存在下で発酵する必要があるが、コリン系のイオン液体は、酵母への影響が少ないことがわかった。

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5.
Application of a Non-thermal Atmospheric Pressure Plasma Jet to the Decomposition of Salicylic Acid to Inorganic Carbon
K. Kuroda, T. Ishijima, T. Kaga, K. Shiomomura, K. Ninomiya, K. Takahashi*

Chem. Lett., 44, 1437-1475 (2015)

触媒などを用いないクリーンな手法である常温大気圧プラズマを利用して、水質汚染物質(サリチル酸)を無機炭素化することができた。

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4.
1H NMR Evaluation of Polar and Nondeuterated Ionic Liquids for Selective Extraction of Cellulose and Xylan from Wheat Bran
K. Kuroda, H. Kunimura, Y. Fukaya, N. Nakamura, H. Ohno*

ACS Sustain. Chem. Eng., 2, 2204-2210 (2014)

植物バイオマスからイオン液体で抽出したセルロース・ヘミセルロースを前処理なし(イオン液体の重水素化なし)で定量した。

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3.
1H NMR analysis of cellulose in ionic liquids
K. Kuroda, H. Kunimura, Y. Fukaya, H. Ohno*

Cellulose, 21, 2199-2206 (2014)

重水素化していないイオン液体中でセルロースの1H NMRを測定する手法を提案した。イオン液体とセルロースの6位のOH基間の水素結合が溶解に最重要であることを示した。



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2.
Direct HPILC Analysis on Cellulose Depolymerisation in Ionic Liquids
K. Kuroda, Y. Fukaya, H. Ohno*

Anal. Methods, 5, 3172-3176 (2013)
Cover article & Hot Paper & Most downloaded article selected by Anal. Methods

イオン液体を移動相とする高速液体クロマトグラフィーを用いて、イオン液体中の加水分解反応を直接解析した。分解のメカニズムについても解析できた。

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1.
High performance “ionic liquid” chromatography
Y. Fukaya, A. Tsukamoto, K. Kuroda, H. Ohno

Chem. Commun., 47, 1994-1996 (2011)
Hot Paper selected by Chem. Commun.

イオン液体を高速液体クロマトグラフィーの移動相としてはじめて適用した。それを用いてイオン液体中に溶解したセルロースの分子量分布を測定できるシステムを構築した。


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